MEDISHAPE トレーニング|コラム
筋トレ中の呼吸はどうする?息を止めない基本と注意点
初心者の基本は、動作中に息を止め続けず、力を出す局面で吐き、戻す局面で吸うリズムです。
種目や指導法で呼吸の細部は変わりますが、重さに耐えるため長く息を止める状態は一般的な出発点にしません。呼吸が続かない、顔や首が過度に力む、めまい・胸痛・強い息苦しさがある場合は、回数を続けず重量と動作を見直します。

スクワットやローイングで「吸うのか吐くのか」を考え過ぎると、かえって息を止めることがあります。大切なのは完璧な一呼吸より、自然な呼吸を保ったまま再現できる負荷を選ぶことです。この記事では、初心者が練習しやすい順番、種目別の例、息止めが起きたときの調整、高血圧など医療上の注意を整理します。
なぜ筋トレで息を止めてしまうのか
重量が重い、回数を急ぐ、姿勢を固めようとするなど、複数の理由で呼吸が途切れます。
力むことと呼吸停止は同じではない
体幹を安定させようとして腹部に力を入れることはありますが、初心者が長く息を止め続ける必要はありません。腹部の緊張と、鼻や口から呼吸が出入りしているかを別々に確認します。
話せないほど息を止める、顔が赤くなる、首や肩が大きくすくむ場合は、技術の不足ではなく負荷が現在の能力を超えている可能性も考えます。
重さと回数が合っているか
最後の数回だけ呼吸が止まるなら、重量、回数、休憩のいずれかを下げます。勢いで終えるより、呼吸が続く回数で終了した方が次の調整をしやすくなります。
同じ色のダンベルでも重量表示が異なる製品があり、画像の色だけで重さは判断できません。実物の表示を確認し、重量比較の図では大きさや数値も併用します。
吸う・吐くタイミングの基本
最初は「力を出すときに吐く、戻すときに吸う」という単純なリズムから練習します。
力を出す局面で吐く
スクワットで立ち上がる、ダンベルを押す、ケーブルを引くなど、負荷に逆らって力を出す局面でゆっくり吐きます。Mayo Clinicも、重量を持ち上げるときに吐き、下ろすときに吸うことを案内しています。[1]
一気に全部吐き切る必要はありません。「ふー」と小さく長く吐き、動作の終点で苦しくならない長さにします。吐く音を利用すると、担当者も呼吸停止に気づきやすくなります。
戻す局面で吸う
スクワットでしゃがむ、ダンベルを下ろす、ケーブルを戻す局面で吸います。鼻だけに限定せず、苦しくない方法で静かに空気を取り込みます。
動作速度が速いと呼吸を合わせにくいため、まず軽い重量で一往復をゆっくり行います。呼吸一回で長い動作を終えられない場合は、可動域か速度を調整します。
種目別に考える呼吸の例
例は固定ルールではありません。痛みや医療上の指示がある場合は個別指示を優先します。
スクワットとヒップヒンジ
しゃがむときに吸い、床を押して立ち上がるときに吐く方法が分かりやすい例です。立ち上がりの途中で呼吸が止まるなら、深さを浅くするか重量を軽くします。
ヒップヒンジ系では、重量を下ろす局面で吸い、立ち上がる局面で吐きます。腰を固めるため息を止めるのではなく、軽い重さで体幹と呼吸を同時に保つ練習をします。
プレスとローイング
ダンベルを押し上げるときに吐き、下ろすときに吸います。肩がすくみ、吐けない場合は重量を下げ、可動域を小さくします。
ケーブルローイングは、取っ手を引くときに吐き、戻すときに吸います。戻す局面を急がず、重りが強くぶつかるなら重量か速度を見直します。
息を止めないための練習順序
器具を持つ前に呼吸だけ、次に自重、最後に軽い抵抗の順で確認します。
言葉と動作を一つずつ合わせる
最初は「立つときに吐く」など、一つの短い言葉だけを使います。姿勢の指示を一度に増やすと、呼吸への注意が抜けることがあります。
担当者のカウントに合わせられない場合は本人の呼吸を基準にします。動作を止めて一呼吸し、再開できる選択肢を持ちます。
発声と軽い会話を利用する
吐く局面で短く数える方法は、息止めに気づく手掛かりになります。長い会話をしながら高負荷を行う必要はありませんが、休憩中に症状を言葉で伝えられるか確認します。
呼吸を大きくしようとして過換気にならないよう、必要以上に速く深く吸い続けません。めまいが出たら中止し、座るか横になって安全を確保します。

息止めが起きたときの負荷調整
呼吸を注意するだけで直らないときは、負荷条件を変えます。
重量より先に回数を終える
予定が10回でも、7回目から呼吸と姿勢が崩れるなら、そのセットは7回で終了します。完遂できなかったのではなく、その日の安全な反復数が分かったと考えます。
次のセットで同じ症状が出る場合は、重量を下げるか種目を変更します。休憩を長くしただけで再び限界まで行わないようにします。
可動域と速度を調整する
深くしゃがむと息が止まるなら、椅子やベンチを目印にして深さを浅くします。押す・引く動作では、肩や腰の位置を保てる範囲へ終点を変えます。
速い反復は呼吸のタイミングを取りにくくします。二秒で動き、二秒で戻すなど、再現できる速度から始めますが、秒数を守るため苦しくなるなら休みます。
血圧と息止めの注意
高血圧や循環器の病歴がある方は、一般的な呼吸の説明だけで自己判断せず、医療上の指示を確認します。
長い息止めを出発点にしない
ACSMは高血圧のある人のレジスタンストレーニングで、息止めを避けるよう案内しています。[2] 呼吸を続けられる軽い重量と回数から始めます。
治療中の血圧、薬の影響、運動制限は人によって違います。運動前後の血圧測定や上限値を求められている場合は、その指示を優先してください。
上級者の方法を自己流でまねしない
競技的な高重量では意図的な呼吸・腹圧操作が使われることがありますが、初心者向けの一般原則と同じではありません。動画を見て自己流で長い息止めを練習しません。
競技目的で必要な場合も、既往歴を確認し、適切な専門家の直接指導下で行います。一般記事は個別の可否を判断できません。
中止と医療相談の目安
息が上がることと、続けてはいけない症状を分けます。
すぐ中止する症状
胸の痛みや圧迫感、強い息苦しさ、失神しそうな感覚、突然の強い頭痛、意識の変化、急な脱力があれば直ちに中止します。原因確認のため同じ重量をもう一度持ちません。
厚生労働省の運動安全情報も、運動時の胸痛、動悸、めまい、強い疲労などに注意し、無理をしないことを示しています。[3] 症状の強さと緊急性に応じて医療へ相談します。
繰り返す頭痛やめまい
呼吸を直しても頭痛やめまいが繰り返す場合は、重量を下げ続けて様子を見るのではなく、その日の運動を終了します。発症時刻、種目、重量、回数を記録します。
新しく始まった、悪化している、安静でも続く症状は医療専門職へ共有します。血圧の病歴や服薬がある場合はその情報も伝えてください。
呼吸を記録する6項目
完璧な吸気・呼気ではなく、どの条件なら自然に続けられたかを残します。
種目と息が止まった局面
種目、重量、回数、どの局面で息が止まったかを書きます。スクワットなら「立ち上がり後半」など、短い言葉で十分です。
顔の力み、肩のすくみ、動作速度、会話できたかも補助情報になります。動画を撮る場合は施設のルールと本人の同意を確認します。
変更後と翌日の反応
重量を下げた、回数を減らした、可動域を浅くしたなど、変更した一項目を記録します。吐きながら動けたか、症状が出なかったかを比べます。
直後だけでなく、頭痛、強い疲労、胸部症状が数時間後や翌日にないかを確認します。異常があれば同じ条件を再現しません。
場面別の判断例
「正しい呼吸を守る」より、症状と動作に合わせて負荷を下げる判断を優先します。
スクワットで立つ瞬間に息が止まる
重量を外すか軽くし、椅子から立つ動作で吐く練習をします。深さと回数を同時に増やしません。
吐けても膝や腰の鋭い痛みがある場合は、呼吸だけの問題とせずその動作を中止します。
ローイングで肩と首が力む
重量を下げ、引く距離を短くします。「引くときにふー」と声に出し、首の力みが減るか確認します。
しびれや腕の脱力を伴う場合は、フォーム修正を繰り返さず医療相談を検討します。
最後の2回だけ息を止める
そのセットは息を止める前の回数で終了します。次回は同じ重量で回数を減らすか、軽い重量へ変更します。
限界まで行うことを必須にせず、呼吸と姿勢を再現できる回数を記録します。
高血圧の薬を飲んでいる
運動可否、血圧測定、避ける強度について処方医の指示を確認します。薬の影響で心拍反応が変わる場合もあります。
担当者へ服薬と医療上の指示を共有し、長い息止めを避け、軽い負荷から始めます。
めまいが出た
直ちに器具を安全に戻し、座るか横になって転倒を防ぎます。同じ日に原因確認のため再挑戦しません。
胸痛、意識の変化、症状の持続があれば緊急性に応じて医療機関へ相談します。
迷ったときの記録と見直し方
一回の感覚だけで結論を出さず、開始前、実施中、直後、翌日の順で同じ項目を確認します。これは診断ではなく、担当者や医療専門職へ状況を伝えるための整理方法です。
開始前に「安静時の呼吸、血圧に関する指示、胸部症状、睡眠と体調」を短く記録します。前回と同じ動作でも、睡眠、食事、仕事や家事の負担、室温が違えば反応は変わります。予定より当日の状態を優先してください。
調整するときは「重量、回数、可動域、動作速度、休憩、種目」のうち一つだけを変えます。複数を同時に変えると、楽になった理由も負担が増えた理由も分かりにくくなります。
実施中は「呼吸の連続性、顔と首の力み、会話、めまい、胸痛、動作の安定」を観察します。外から見える姿勢だけでなく、本人にしか分からない痛み、息苦しさ、しびれ、不安も同じ重さで扱います。
終了の基準は「胸痛、強い息苦しさ、めまい、失神しそうな感覚、急な頭痛や脱力」です。予定の回数や時間より中止基準を優先し、原因を確かめるために同じ条件をその場で何度も再現しません。
直後は「立ち上がり、階段、荷物を持つ動作」など、開始前にも確認した生活動作を一つだけ見ます。最大の可動域や限界を試さず、同じ条件で無理なく行えるかを比べます。
結果は「重量を下げると吐きながら動け、翌日に頭痛や強い疲労がなかった」のように具体的に残します。良い・悪いの二択だけでなく、どの条件で、いつ、どの程度変わったかを書きます。
その場で良く感じても、原因が解決した、再発しないとは断定できません。数時間後と翌日の反応を確認し、一回の印象だけで強度や頻度を増やさないことが大切です。
変化がなかった場合も、すぐに強さや時間を追加しません。目的と確認項目が合っているか、方法を理解できているか、別の相談先が必要かを順番に見直します。
悪化した場合は「慣れる途中」「好転反応」と決めつけません。始まった時刻、場所、続いた時間、生活への影響を記録し、同じ条件を次回の開始点にしないよう共有します。
担当者の説明は、観察された事実、考えられる理由、提案する選択肢に分けて聞きます。一つの原因を確定する説明や結果を保証する表現には、根拠と限界を確認します。
画像や図解は理解を助ける例で、全員が同じ姿勢、可動域、反応になることを示しません。画像を身体の正解として再現せず、体格や既往、当日の状態に合わせます。
一般向け資料は集団の目安を示すもので、個別の安全性や効果を保証するものではありません。研究対象や条件が自分と同じとは限らない点を残します。
医療相談を勧めることは、必ず重大な病気があるという意味ではありません。一般記事や運動・施術サービスだけでは判断できない症状を適切な窓口で確認するための選択です。
再開するときは、症状が落ち着いただけで元の条件へ戻しません。「重量、回数、可動域、動作速度、休憩、種目」から最も軽い条件を選び、直後と翌日の反応を再び確認します。
記録が続かない場合は、開始前、変更点、翌日の三行だけに減らします。詳細さより、同じ形式で比較できることを優先します。
最後に「息を止めてでも予定重量を持ち上げること」が目標へすり替わっていないか確認します。安全に断れること、説明を理解できること、生活への影響を観察できることも継続判断の材料です。

担当者へ短く伝えるメモの作り方
相談時間を有効に使うため、症状、直前の条件、希望する対応を一枚のメモに分けます。長い経過を完璧にまとめる必要はありません。
一行目は「いつ、どこに、何を感じたか」です。痛みや不安がなかった場合もそのまま書き、推測した原因より観察した事実を先に置きます。
二行目は直前の条件です。「重量、回数、可動域、動作速度、休憩、種目」のどれが普段と違ったかを書きます。重さや時間が分かる場合は数字を添え、分からなければ器具や姿勢の特徴を残します。
三行目は「立ち上がり、階段、荷物を持つ動作」への影響です。できた・できないだけでなく、いつから変わり、休むとどうなったかを伝えます。
四行目は既往歴、服薬、医療専門職から受けている注意です。薬の名前が分からない場合は、お薬手帳や処方情報を本人の判断で持参すると確認しやすくなります。
五行目は希望する対応です。「原因を断定してほしい」ではなく、「重量、回数、可動域、動作速度、休憩、種目のうち何を下げられるか知りたい」「中止基準を確認したい」のように具体化します。
担当者の回答は、当日できること、避けること、連絡が必要な変化の三つに分けてメモします。分からない言葉はその場で質問し、説明へ同意できない場合は実施を断れます。
記事や画像を見せる場合も、それだけで個別の可否を判断してもらうのではなく、自分の症状と目的を添えます。一般情報と個別評価の境界を残すことが安全な相談につながります。
よくある誤解と安全な言い換え
腹圧を入れるなら息を止める
腹部の緊張と呼吸停止は同じではありません。初心者は呼吸を続けられる軽い負荷で練習します。
必ず鼻から吸い口から吐く
苦しくない呼吸経路を選び、まず息が途切れないことを優先します。
10回は呼吸が崩れても完遂する
呼吸と姿勢が崩れる前で終了し、回数か重量を下げます。
上級者の息止めをまねすれば強くなる
競技的な技術は初心者向けの一般原則ではありません。自己流で行いません。
息切れは全部トレーニング効果
胸痛、強い息苦しさ、めまい、失神しそうな感覚は中止し、必要に応じて医療へ相談します。
実施前チェックリスト
- 開始前の胸部症状・めまい・医療上の指示を確認した
- 器具の表示で重量を確認した
- 軽い重量で呼吸と動作を合わせた
- 息止めが始まる前の回数で終了する
- 重量・回数・可動域の一項目だけを変える
- 直後と翌日の頭痛・強い疲労・胸部症状を記録する
胸痛、強い息苦しさ、めまい、失神しそうな感覚、突然の激しい頭痛、意識の変化があれば中止し、緊急性に応じて医療機関へ相談してください。
よくある質問
スクワットは下で吸いますか?
一般にはしゃがむ局面で吸い、立つ局面で吐くと合わせやすいです。苦しい場合は軽くして速度や深さを調整します。
一回ごとに呼吸しなければいけませんか?
多くの基本動作では一往復に一呼吸が分かりやすいですが、種目と速度で変わります。息を止め続けないことを優先します。
腹式呼吸でないとだめですか?
一つの呼吸法へ固定せず、動作中に呼吸が続き、痛みやめまいがないかを確認します。
息を吐くと力が抜けませんか?
軽い負荷で体幹を保ちながら吐く練習をします。重さのため呼吸できないなら負荷が高すぎる可能性があります。
高血圧でも筋トレできますか?
可能な場合はありますが、治療状況と個別指示が重要です。医療専門職へ運動可否と強度を確認してください。
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呼吸が止まりやすい種目や医療上の注意を伝え、器具を持たない動作から相談できます。
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MEDISHAPEのトレーニングで相談するときに伝えること
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参考文献
- [1] Mayo Clinic: Weight training dos and don’ts of proper technique
- [2] American College of Sports Medicine: Exercise for the Prevention and Treatment of Hypertension
- [3] 厚生労働省 e-ヘルスネット:安全に運動を行うために
- [4] 厚生労働省 e-ヘルスネット:筋力トレーニングについて
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姿勢・動作・目的を個別に確認し、無理なく続けられる一歩を一緒に整理します。
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断、治療、個別の運動・施術指示に代わるものではありません。持病、妊娠、手術後、血圧や運動に関する医療上の指示がある場合は、その指示を一般的な呼吸法より優先してください。